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2010年5月 1日 (土)

童話ですな(笑)

PC整理してたら、大昔に書いた童話が出てきました。いやぁ、久々の再会だね。で、ここに載せてみようかなぁとか思っちゃいました。

で、出てきたのが下の作品。「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」を足して、ギリシャ神話をスパイスにしたら出来あがったって感じですね。

後日、イラストを書いて、小説投稿サイトの方へ入れるつもりです。まぁ、割とキレイにまとまってるので、修正はそんなにしなくていいかなぁ。10年くらい前だよなぁ、書いたのって 

モヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!

「小熊の星」

 夜空にはいっぱいの星があります。山の中の熊の親子が、星空を見ながら話しをしていました。
「かあさん、あれ欲しいよ」
 小熊が星を欲しいと言っているようです。母さん熊は笑いながら小熊を見ました。
「お前がもっとも~っと大きくなったら、手に入るかもしれないね」
 小熊はふ~んと鼻を鳴らしました。
「お前は星を捕まえてどうするんだい?」
 小熊はう~んと考えて答えました。
「星って何だか寂しそうだもん。僕がいっしょにいたら寂しくなくなるよ。だから捕まえるの」
 母さん熊はくすくす笑いました。
「じゃあ、お友だちになりたいの?」
小熊は恥ずかし気に頷いて、母さん熊にまとわりつき、こう尋ねました。
「星って何で出来てるの?」
「そうだねぇ、お前のおじいちゃんや、食べちゃった魚とか」
「ええっ!」
 小熊は目をまん丸にして、母さん熊を見上げました。母さん熊は話しを続けます。
「この世界で生きていたものが死ぬと、星になって空に駆け上がるんだよ。そして自分がとっても気に入った所に着くと、今度はそこに座って、自分の好きなものを見るんだってさ。おなかも空かなきゃ眠くもならない。好きなことだけして暮らせるのさ。気が向いたら旅に出ることも出来る」
 小熊はこの前見た流れ星を思い出しました。
 流れ星は、長い尾を引いて、空を駆け抜けて行ったのです。流れ星にはとっても見たいものがあったのでしょう。大急ぎで小熊の前から消えてしまいましたから。
「あの流れ星、旅してたんだ」
 母さん熊は、そうだねと言うと、小熊を鼻でつつきました。
 もう、夜も大分更けていたので、家に帰ることを伝えたのです。本当はもっと早くに休むつもりだったのですが、あまりにも綺麗な星空だったので、ついつい、こんなに遅くまで星空を見上げてしまったのです。明日は早くから蜂の巣を捕りに行きます。これ以上遅くなると朝起きられません。
 小熊は嫌がりましたが、母さん熊はおいしい蜂蜜の話をして、家に帰る気分にさせました。
 家に帰ると、小熊はおいしい蜂蜜のことを考えて目を閉じました。星の光を灯りにして、蜂蜜をなめている自分が見えます。蜂蜜をおなかいっぱいなめて、小熊は満足そうに星を触っています。星は嬉しそうにチカチカ輝き、小熊を喜ばせました。夢の中では小熊と星は友達で、お互いが特別な宝物でした。
 それから幾日もしない夜のことです。小熊が目を覚ますと、母さん熊が家を出て行く所でした。どうやら夜の散歩に出るようです。
 小熊は母さん熊が出て行くのを、しっかり確認してから起き上がりました。やりたいことがあったのです。母さんがいたら危ないと言ってやらせてくれないこと。この辺りで一番大きな木のてっぺんまで登ることです。
 星が欲しいと思った時から、ずっと考えていました。星はとっても高い所にいます。母さん熊は大きくなったら手に入れられるかもしれないねと言っていました。だから小熊はこう考えたのでした。
「高い木に登ったら、星に近くなるんだ。もしかしたら、今すぐにでも、星に手が届くかもしれないぞ」
 今日も夜空には星が見えます。母さん熊がいない今夜はチャンスでした。早速、家を抜け出すと、小熊は木へと向かいました。
 木の根元で上を向くと、たくさんの葉が風に揺れ、ざわざわと大きな音をしているのが見えました。暗い葉陰はまるで怪物のようで、とっても怖い感じがしました。
 葉の一枚が落ちてきて、小熊の耳をかすめました。小熊は小さく声を出し、飛び上がりました。怪物が向かってきたように思えたからです。心臓がどきどき弾んでいます。
「ただの葉っぱ、大丈夫、怖くない!」
 自分にそう言うと、小熊は木の幹に爪をかけました。しっかり食い込ませ、ゆっくり、落ちないように登ります。時々、葉っぱの音に驚きながらも、小熊は木のてっぺんに近づいていきました。
 とうとう、てっぺんに着くと、小熊は夜空を見上げました。そして、とってもガッカリしました。星は木のもっともっと上、手を伸ばしてもとても届かないほど遠くにあることが解ったからです。
「こんなんじゃあ、つかめないんだなぁ」
 残念そうに呟きます。星が手の入らないのならば、木のてっぺんにいても仕方がありません。小熊は木を降りようとして下を見回しました。
「下の方に星がある!」
 大きな発見です!寂しそうに光る天の星よりも暖かな色をした地の星。それは小熊の家から、そう遠くない所に見えます。それなのに地の星があることを、母さん熊は教えてくれませんでした。
「母さん、この星のことを知らなかったのかな?」
 母さん熊は何でも知っていて、小熊に色々なことを教えてくれていましたから、何だか変な気がしました。
実際には、母さん熊は地の星があることを知っていました。小熊に話さなかったのは、そこがとても危険な所だったからです。もし、小熊が地の星の所へ行ってしまえば、小熊は二度と母さん熊の所へ戻れないかもしれません。小熊は星をとても欲しがっていましたから、地の星の話しをしたら、必ず星を取りに出かけてしまうと、母さん熊は心配していtのです。
 しかし、小熊は地の星を見つけてしまいました。母さん熊はいません。止めるものはありませんでした。小熊は木を降りると地の星が見えた所へ向かいました。
 林を抜けて丘へ登ると、草の影の間に、橙色の輝きが見えました。まだ遠くに見えますが、天の星に比べたら、とっても近い所にあるようです。小熊は足を急がせました。
 地の星があるのは、人の住んでいる村でした。母さん熊が危険だと言って、今まで近くに来たこともありません。小熊は母さん熊の話しを思い出しました。
「母さんの叔父さんが、昔この近くで大ケガしたんだ。そのせいで叔父さんは、冬に眠れなくなってしまったの。ケガの跡が痛んで眠れないんだって」
 熊は冬は眠る生き物です。眠れないほどのケガを負うなんて、よほど危険な目に会ったのでしょう。話しを聞いた小熊は、その時とても怖くなって、ぶるぶる震えたのでした。
 しかし、今の小熊は怖さよりも、星を手に入れたい気持ちの方が強かったのです。
 星を抱いた夜の村は、小熊を暖かく迎えているようです。あちこちに星があり、昼のようにとは言いませんが、足下を明るく照らしていました。星は村の中心に行くほど、多くなっているみたいです。
 星の多い所には、きっと大きくて綺麗なものがあるに違いない。期待に胸を躍らせて、小熊は村の中心を目指しました。
 地の星は、小熊が少し無理をすれば、簡単に捕れそうな感じです。ここらで一つ捕ってみようと、小熊は近くにあった家の玄関に向かいました。戸に手を置いて、後ろ足でよいしょと立ち上がります。戸がガタガタ大きな音を発てて揺れました。届きません。何度かやってみましたが、あと少しのところで届きません。
 ガタガタという音を聞きつけて、家の人が様子を見にやってきました。引き戸のガラスに透けて、黒い影が動いているのが見えます。家の人は近所の人に連絡をしました。それから警察にも。ここは山間の村でしたから、家の人は初めに熊だと思ったのです。熊は畑を荒らしたり、時には人を襲ったりする、危険な生き物だと思われています。近所の人は猟銃を持っていました。家の人は大きな被害が出ないうちに、熊を処分してしまおうと考えたのでした。警察に連絡したのは泥棒かもしれないと思ったからでした。どちらにしても、家の人は怖がって震えていたのです。
 小熊は自分が人を怖がらせているなんて思ってもいませんでした。さっきの星は捕ることが出来ませんでした。小熊はほかの星を探して、辺りを見回しました。すると、低い所に光ものがあります。明るい黄色いの光です。星が呼んでるんだ!と小熊は思いました。星はゆっくりと動いてまるで小熊を捜しているように見えました。小熊は勢い良く走り出し、光るものに向かって立ち上がり、手を伸ばしました。今度こそ手に届く位置に光りはありました。
 もう少しで光りに届くというところで、小熊はパンッ!という軽い大きな音を聞きました。光のある方向からでした。星のある場所には人間がいました。横にはもう一人、手に長い棒のようなものを持った人が立っています。小熊が捕ろうとしたのは星ではなく、人の持つ懐中電灯の光だったのです。
 小熊は何が起きているのか良くわかりませんでした。そのうち、胸の辺りが火のように熱く、手足はそれと反対にとても冷たくなってくるのを感じました。寒くなって体が震え、小熊は立っていられなくなり、地面にうずくまりました。体がとても重たいです。寒さに息を吐き、ぼんやりしてきた目で、小熊は天の星を見上げました。
「何だか星が、とても近くに見える」
 小熊は呟きました。星はどんどん近づいてきます。小熊は手を差し出しました。体が急に軽くなり、小熊は自分から星に近づきました。気がつくと、小熊は空に駆け上がっていまいした。軽々と空を駆けると、小熊は一つの小さな星を捕りました。とうとう星を手に入れたのです。星を触った瞬間、小熊自身が輝き始めました。そして小熊は気づいたのです。自分が死んでしまったことに。
 空に駆け上がった小熊は、母さん熊を探しました。見つけた母さん熊は、小熊を探し鳴いています。
「母さん、ごめんなさい。僕、こんなことになるなんて思ってもみなかったんだよ」
小熊は言いました。母さん熊は気づきません。小熊の声が聞こえないのです。それから姿も見えないのでした。母さん熊の悲しそうな姿を見るだけで、小熊は何も出来ないのです。母さん熊は、しばらく小熊を探し、歩き回っていましたが、そのうちがっくりと力を落とし、家に帰っていきました。
それ以上、母さん熊を見ているのがつらくなり、小熊は天高く向かいました。
「この世界で生きていたものが死ぬと、星になって空に駆け上がるんだよ」
 母さん熊が言っていた言葉を思い出し、小熊は空で母さん熊を待つことにしました。小熊は欲しがっていた星の一つになっていました。
 小熊は今でも母さん熊を待って空に住んでいます。小さく輝きながら、母さん熊に自分の場所を教えているのです。
 空の星がどことなく寂しそうなのは、小熊のような小さな星がたくさんあるからなのです。 夜空にはいっぱいの星があります。山の中の熊の親子が、星空を見ながら話しをしていました。
「かあさん、あれ欲しいよ」
 小熊が星を欲しいと言っているようです。母さん熊は笑いながら小熊を見ました。
「お前がもっとも~っと大きくなったら、手に入るかもしれないね」
 小熊はふ~んと鼻を鳴らしました。
「お前は星を捕まえてどうするんだい?」
 小熊はう~んと考えて答えました。
「星って何だか寂しそうだもん。僕がいっしょにいたら寂しくなくなるよ。だから捕まえるの」
 母さん熊はくすくす笑いました。
「じゃあ、お友だちになりたいの?」
小熊は恥ずかし気に頷いて、母さん熊にまとわりつき、こう尋ねました。
「星って何で出来てるの?」
「そうだねぇ、お前のおじいちゃんや、食べちゃった魚とか」
「ええっ!」
 小熊は目をまん丸にして、母さん熊を見上げました。母さん熊は話しを続けます。
「この世界で生きていたものが死ぬと、星になって空に駆け上がるんだよ。そして自分がとっても気に入った所に着くと、今度はそこに座って、自分の好きなものを見るんだってさ。おなかも空かなきゃ眠くもならない。好きなことだけして暮らせるのさ。気が向いたら旅に出ることも出来る」
 小熊はこの前見た流れ星を思い出しました。
 流れ星は、長い尾を引いて、空を駆け抜けて行ったのです。流れ星にはとっても見たいものがあったのでしょう。大急ぎで小熊の前から消えてしまいましたから。
「あの流れ星、旅してたんだ」
 母さん熊は、そうだねと言うと、小熊を鼻でつつきました。
 もう、夜も大分更けていたので、家に帰ることを伝えたのです。本当はもっと早くに休むつもりだったのですが、あまりにも綺麗な星空だったので、ついつい、こんなに遅くまで星空を見上げてしまったのです。明日は早くから蜂の巣を捕りに行きます。これ以上遅くなると朝起きられません。
 小熊は嫌がりましたが、母さん熊はおいしい蜂蜜の話をして、家に帰る気分にさせました。
 家に帰ると、小熊はおいしい蜂蜜のことを考えて目を閉じました。星の光を灯りにして、蜂蜜をなめている自分が見えます。蜂蜜をおなかいっぱいなめて、小熊は満足そうに星を触っています。星は嬉しそうにチカチカ輝き、小熊を喜ばせました。夢の中では小熊と星は友達で、お互いが特別な宝物でした。
 それから幾日もしない夜のことです。小熊が目を覚ますと、母さん熊が家を出て行く所でした。どうやら夜の散歩に出るようです。
 小熊は母さん熊が出て行くのを、しっかり確認してから起き上がりました。やりたいことがあったのです。母さんがいたら危ないと言ってやらせてくれないこと。この辺りで一番大きな木のてっぺんまで登ることです。
 星が欲しいと思った時から、ずっと考えていました。星はとっても高い所にいます。母さん熊は大きくなったら手に入れられるかもしれないねと言っていました。だから小熊はこう考えたのでした。
「高い木に登ったら、星に近くなるんだ。もしかしたら、今すぐにでも、星に手が届くかもしれないぞ」
 今日も夜空には星が見えます。母さん熊がいない今夜はチャンスでした。早速、家を抜け出すと、小熊は木へと向かいました。
 木の根元で上を向くと、たくさんの葉が風に揺れ、ざわざわと大きな音をしているのが見えました。暗い葉陰はまるで怪物のようで、とっても怖い感じがしました。
 葉の一枚が落ちてきて、小熊の耳をかすめました。小熊は小さく声を出し、飛び上がりました。怪物が向かってきたように思えたからです。心臓がどきどき弾んでいます。
「ただの葉っぱ、大丈夫、怖くない!」
 自分にそう言うと、小熊は木の幹に爪をかけました。しっかり食い込ませ、ゆっくり、落ちないように登ります。時々、葉っぱの音に驚きながらも、小熊は木のてっぺんに近づいていきました。
 とうとう、てっぺんに着くと、小熊は夜空を見上げました。そして、とってもガッカリしました。星は木のもっともっと上、手を伸ばしてもとても届かないほど遠くにあることが解ったからです。
「こんなんじゃあ、つかめないんだなぁ」
 残念そうに呟きます。星が手の入らないのならば、木のてっぺんにいても仕方がありません。小熊は木を降りようとして下を見回しました。
「下の方に星がある!」
 大きな発見です!寂しそうに光る天の星よりも暖かな色をした地の星。それは小熊の家から、そう遠くない所に見えます。それなのに地の星があることを、母さん熊は教えてくれませんでした。
「母さん、この星のことを知らなかったのかな?」
 母さん熊は何でも知っていて、小熊に色々なことを教えてくれていましたから、何だか変な気がしました。
実際には、母さん熊は地の星があることを知っていました。小熊に話さなかったのは、そこがとても危険な所だったからです。もし、小熊が地の星の所へ行ってしまえば、小熊は二度と母さん熊の所へ戻れないかもしれません。小熊は星をとても欲しがっていましたから、地の星の話しをしたら、必ず星を取りに出かけてしまうと、母さん熊は心配していtのです。
 しかし、小熊は地の星を見つけてしまいました。母さん熊はいません。止めるものはありませんでした。小熊は木を降りると地の星が見えた所へ向かいました。
 林を抜けて丘へ登ると、草の影の間に、橙色の輝きが見えました。まだ遠くに見えますが、天の星に比べたら、とっても近い所にあるようです。小熊は足を急がせました。
 地の星があるのは、人の住んでいる村でした。母さん熊が危険だと言って、今まで近くに来たこともありません。小熊は母さん熊の話しを思い出しました。
「母さんの叔父さんが、昔この近くで大ケガしたんだ。そのせいで叔父さんは、冬に眠れなくなってしまったの。ケガの跡が痛んで眠れないんだって」
 熊は冬は眠る生き物です。眠れないほどのケガを負うなんて、よほど危険な目に会ったのでしょう。話しを聞いた小熊は、その時とても怖くなって、ぶるぶる震えたのでした。
 しかし、今の小熊は怖さよりも、星を手に入れたい気持ちの方が強かったのです。
 星を抱いた夜の村は、小熊を暖かく迎えているようです。あちこちに星があり、昼のようにとは言いませんが、足下を明るく照らしていました。星は村の中心に行くほど、多くなっているみたいです。
 星の多い所には、きっと大きくて綺麗なものがあるに違いない。期待に胸を躍らせて、小熊は村の中心を目指しました。
 地の星は、小熊が少し無理をすれば、簡単に捕れそうな感じです。ここらで一つ捕ってみようと、小熊は近くにあった家の玄関に向かいました。戸に手を置いて、後ろ足でよいしょと立ち上がります。戸がガタガタ大きな音を発てて揺れました。届きません。何度かやってみましたが、あと少しのところで届きません。
 ガタガタという音を聞きつけて、家の人が様子を見にやってきました。引き戸のガラスに透けて、黒い影が動いているのが見えます。家の人は近所の人に連絡をしました。それから警察にも。ここは山間の村でしたから、家の人は初めに熊だと思ったのです。熊は畑を荒らしたり、時には人を襲ったりする、危険な生き物だと思われています。近所の人は猟銃を持っていました。家の人は大きな被害が出ないうちに、熊を処分してしまおうと考えたのでした。警察に連絡したのは泥棒かもしれないと思ったからでした。どちらにしても、家の人は怖がって震えていたのです。
 小熊は自分が人を怖がらせているなんて思ってもいませんでした。さっきの星は捕ることが出来ませんでした。小熊はほかの星を探して、辺りを見回しました。すると、低い所に光ものがあります。明るい黄色いの光です。星が呼んでるんだ!と小熊は思いました。星はゆっくりと動いてまるで小熊を捜しているように見えました。小熊は勢い良く走り出し、光るものに向かって立ち上がり、手を伸ばしました。今度こそ手に届く位置に光りはありました。
 もう少しで光りに届くというところで、小熊はパンッ!という軽い大きな音を聞きました。光のある方向からでした。星のある場所には人間がいました。横にはもう一人、手に長い棒のようなものを持った人が立っています。小熊が捕ろうとしたのは星ではなく、人の持つ懐中電灯の光だったのです。
 小熊は何が起きているのか良くわかりませんでした。そのうち、胸の辺りが火のように熱く、手足はそれと反対にとても冷たくなってくるのを感じました。寒くなって体が震え、小熊は立っていられなくなり、地面にうずくまりました。体がとても重たいです。寒さに息を吐き、ぼんやりしてきた目で、小熊は天の星を見上げました。
「何だか星が、とても近くに見える」
 小熊は呟きました。星はどんどん近づいてきます。小熊は手を差し出しました。体が急に軽くなり、小熊は自分から星に近づきました。気がつくと、小熊は空に駆け上がっていまいした。軽々と空を駆けると、小熊は一つの小さな星を捕りました。とうとう星を手に入れたのです。星を触った瞬間、小熊自身が輝き始めました。そして小熊は気づいたのです。自分が死んでしまったことに。
 空に駆け上がった小熊は、母さん熊を探しました。見つけた母さん熊は、小熊を探し鳴いています。
「母さん、ごめんなさい。僕、こんなことになるなんて思ってもみなかったんだよ」
小熊は言いました。母さん熊は気づきません。小熊の声が聞こえないのです。それから姿も見えないのでした。母さん熊の悲しそうな姿を見るだけで、小熊は何も出来ないのです。母さん熊は、しばらく小熊を探し、歩き回っていましたが、そのうちがっくりと力を落とし、家に帰っていきました。
それ以上、母さん熊を見ているのがつらくなり、小熊は天高く向かいました。
「この世界で生きていたものが死ぬと、星になって空に駆け上がるんだよ」
 母さん熊が言っていた言葉を思い出し、小熊は空で母さん熊を待つことにしました。小熊は欲しがっていた星の一つになっていました。
 小熊は今でも母さん熊を待って空に住んでいます。小さく輝きながら、母さん熊に自分の場所を教えているのです。
 空の星がどことなく寂しそうなのは、小熊のような小さな星がたくさんあるからなのです。

おしまい

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