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2009年6月10日 (水)

小説 鶴彬 暁を抱いて

吉橋通夫著 新日本出版社刊

川柳人の鶴彬(本名は喜多一二)を主人公にした話です。弱者の側に立った目線で作品を発表し、特高に目を付けられ、最期は獄中で罹った病によって亡くなります。享年29歳。

一途な主人公がこの著者らしいキャラクターとなっています。大正~昭和初期にかけての激動の日本で、労働者側に立った活動を行い、物語の中では育った町の女工の待遇改善に力を貸したりしています。しかし、生活能力はあまり無いようで、あちこちで助けて貰いながら生活し、作品を発表していたといった人のようです。ある意味不器用な人だったんではないかなという感じを受けました。作中の本人作品を読むと、感受性が強く、本当に真面目な人なんだなぁと気がします。時代背景を考えると生き辛かったんじゃないでしょうかね。

同時代で有名なプロレタリア文学は、最近流行った小林多喜二の「蟹工船」です。作中でも出て来ますが、彼も赤狩りで特高に捕まり拷問されて亡くなっています。

この作者は子供向けの本を多く書かれているんですが、これは大人向けの作品となっています。子供向けも結構キツイ現実を書いていたりしますが、最後には救いが見える終わり方。でも、これは流石にちょっとブルーになりました。

実際の人物がいるので、史実通り辿って書いているんでしょうが、終りがバタバタとなってしまったのが残念です。投獄中はあまり変化がないので仕方がないんでしょうけれど、やっぱり慌ただしい感じは拭えないですね。

この作家さんの本は、子供向けは「凛九郎」「なまくら」(講談社)辺りが入手しやすいです。初めて読むなら「なまくら」は短編集で読みやすいしお勧めです。

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